二、梅雨の先走りも消え緑鮮やかな快晴に恵まれた日曜日の朝、待ち合わせの代々木公園の駅に来ると、もうすでに藤色のさわやかな花が咲いているかのようなあなたがいます。僕はなんだか恥ずかしくて遠くから見つめていますと、視線に気が付いたのか大きく手…
一、 あの日部屋の窓を、6月の雨が濡らすのを一人眺めながら、午後のうたた寝の時間をスマホの着信音にかき乱され、ふと我に返る。啓介の弾むような明るい声が聞こえてくる。「あのさ、今度開店した翡翠(かわせみ)に6時集合よろしく、実はさあ紹介したい…
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