むしきらい

みんなは好き

泥棒とうんこ

     泥棒とうんこ

   先日裏の離れ兼倉庫に、泥棒が入りました。裏口から入ったようですが倉庫には従業員がいつも出入りしているためそんな所に入ればすぐに見つかるのによく入ったものだと感心しました。

 離れには事務所があり、少しぐらいの小銭はあったかと思いますがお金は置いてはありません、なのにロッカーやら引出しやら開けて散らかし放題ですが、元々そんなに片付いている訳ではないですから「誰やこんなに散らかした奴は」と言っていると、裏口から出て行った者が「店長、外に祝儀袋が落ちていましたけど」「なんで~、ちょっとおかしいぞ、ひょっとしたら泥棒が入ったかもしれないぞ」と周りを見回し「あれ、祝儀袋の束がないぞ、ロッカーも調べろ」という事で突然大騒ぎになり、僕も倉庫を調べに急いで中に入りました。

 皆さん、誰も想像したことの無い事態に遭遇すると、人はどんな反応をすると思いますか、実に不思議な事で空中に浮かんだ自分が見えてきます、ふあ~と浮かんで何だか頼りない浮遊感に何がどうしたのこの変な感じは、倉庫の中に何とも言えない匂いのもやが凄い勢いで僕を包み込む。

 ぎゃー・・・・・・。

 こんな事が許されていいのか、こんなひどい事が、想像したくない、思い出したくもない、しかもこんなに大量に、ありえないことが起こりました。

 僕の人生の中で、靴を洗うのにこんなに躊躇したことはなかったです、高級な、革靴しかもまだ1ヶ月経っていないとても大事にしていた僕の靴がなんで~。

 泣くことも出来ずにただ鼻をつまんで黙々と、木のへらで落し水で流す事をひたすら繰り返すばかりです、そして倉庫にある黄金の物体をビニール袋で包み、さらに包み新聞紙で床を擦り水を流し泪交じりに掃除をしました。

 昔、昭和の泥棒は入った家に盗む物が無いと大グ○をして行くと言う話を聞いたことがありました、まさかそれを実行するとは本当に嫌な泥棒でした。

 刑事が来まして、いろいろ聞かれ被害の金額は?「5、6000円ぐらいです」その他は、「はあ別にないです」と言っていると、子供が「お父さんはすっごく強いよ、警察の人より強いよ」と、突然言い出したので刑事さんも「そうか、おじちゃんよりも強いか」と答え「うん、ずーと強いから」調子に乗って答えるから「わかった、わかったお母さんの所へ行きなさい」と追い払うと刑事さんも「いいねえ、お父さんが一番強いと思っている内は、本当に可愛いから。ではこれで、流しの犯行ですからおそらく捕まる事はないでしょう」。

 鍵は必ず掛けましょう、僕の様にならない為にね。 

 はあ~・・・・・